研磨事例

2024.12.02

メディアの種類と光沢の関係

バレル研磨機では使用する研磨メディアの種類によって仕上がりが大きく変わります。
今回はメディアのサイズによる光沢への影響を検証するテストを行いました。

 

[テストサンプル]
使用したメディア及びワークを下記に示します。
・ワーク
   材質:コバール
   サイズ:t6×20×32
   質量:30.6g

・研磨メディア
  SHB-1(直径1mm;約0.002g/個;セラミックメディア)

  SHB-2(直径2mm;約0.015g/個;セラミックメディア)
  SHB-3(直径3mm;約0.04g/個;セラミックメディア)
  SHB-4(直径4mm;約0.1g/個;セラミックメディア)
  SHB-5(直径5mm;約0.2g/個;セラミックメディア)
  SHB-6(直径6mm;約0.3g/個;セラミックメディア)
  SHB-8(直径8mm;約0.7g/個;セラミックメディア)
  SHB-12(直径12mm;約2.4g/個;セラミックメディア)

図1 使用したワークとメディア

 

[テスト条件]
  使用機種:HM-11T(IE3) 2.5L×4槽
  回転数:210rpm(当機種の最大回転数)

  運転時間:10分

 

[テスト結果]

 図2に表面光沢の比較写真を示します。

ワークにシャープペンシルを近づけて、どの程度きれいに映るかを比較しています。

使用したメディアが大きいほど表面がくすんで鏡面具合は低下していき、

最大サイズのSHB-12を使用したワークではほぼ映らなくなっています。

図2 光沢の比較

 

また表面の拡大写真の比較を以下に示します。

図3 ワークの表面状態の比較

大きいメディアを使用したワークほど、表面の目が粗くなっており、

その結果、光沢が低くなっていると考えられます。

そのため仕上がりの光沢を気にされる場合は、必要な研磨力を満たす範囲で

できるだけ小さいメディアを使用されることをお勧めします。

 

大きなメディアを使用しつつ、光沢を出す方法としては

①粗研磨の後に、仕上研磨を行う方法と

②小さいメディアを大きいメディアを混ぜて使用する方法

の2種類が考えられます。

これらテストについては追ってこのBLOGでご報告いたします。

 

今後もこのように研磨条件の選定に必要な情報について発信していきます。

 

また弊社までワークをお送りいただければ、無償にて研磨テストを実施いたしますので、

ご興味を持たれた方は下記のリンク先からお問い合わせください。

 

お問い合わせフォーム:https://sanfinish.com/contact/